杭州寒蘭の楽しみ方
(沿革)
「杭州寒蘭」は、日本に30数年前にやってきた中国産の「寒蘭」で、「日本寒蘭」より開花が遅く、11月から1月にかけて咲いてきます。日本寒蘭にはない花容で、日本寒蘭愛好者だけでなく、最近は若い人も栽培するようになりました。最初に世田谷の展示会で飾られたこともあり、東京の愛好者が中心でしたが、近年は、九州,四国,近畿でも栽培熱が盛んになってきました。
最近の研究では、産地は武夷山系(淅江省の南西部,江西省南東部,福建省東北部にまたがる、従来から言われてきた竜泉地区もこの山系)で、日本寒蘭と殆ど変らないタイプの「中国寒蘭」と混在していることが判りました。
(特長)
花容は、舌のベースが雪白色で、舌の点も明るいピンク〜赤い点が数少なく入り、花弁の色も翡翠色の透明感のあり、更に捧心に白覆輪をかけ、なかには五弁覆輪の入るものもあります。深い白覆輪と翡翠の色が、他の寒蘭と全く違うところで、薫りは殆どないか僅かなものが多いようです。
濃更紗,殆ど鳶赤といっていい花,更紗の花であっても、最初は翡翠色のつぼみであり,花茎がのびてつぼみがふくらみかけると、子房に近いところより色がのってきます。(逆に先端より色がのってくるものもあり、開花までの変化は充分に楽しめます。)また朝日を当てると更紗の色が益々濃くなるものもあり、栽培の工夫で様々な花色を楽しむこともできます。
花弁が分厚いものは、咲き始めから完全開花まで1週間以上かかることがあり、次第に変わっていく姿は本当に美しいものです。また「杭州寒蘭の咲きはじめにハズレなし」、という言葉もある位、最初は可愛くても時間と共に変容し思いもよらない姿に変わることがあります。見たものをいきなり購入せずに、じっくりと本性を確認する人もいますが、その間に他人の手に渡ることもあり、愛好家泣かせなこともあります。
また、当初のものは細葉が中心だったのですが、ここ数年は日本寒蘭と変わらぬ大葉系のものが入ってきています。また葉が大きいと花も大きい傾向にあり、全体に見栄えが大きく調和が取れ、展示会で他を圧倒するものも出てきています。反面翡翠色とベースの白色が濁ることがあり、展示会の審査員を悩ませているところです。
(栽培と鑑賞)
栽培は簡単で、花付きもよく、日本寒蘭よりも寒さには強いようです。(といっても寒風と凍結は大敵)直射日光はもちろんダメで、風通しのよいところに置くのが一番です。また根が太いものが多いですが、水を切らすと栽培に悪影響です。夏場の水やりは3〜4日にたっぷり1回。冬は休眠状態なので1週間に1回程度。肥料は強いものはやらずに、ほどほどがいいようです。日本寒蘭よりは肥料は好きのように思えます。
(楽しむポイント)
当日本中国蘭協会をはじめとして、杭州寒蘭の展示会を直接見て、係員に質問することも自分の栽培の参考になります。当協会HPへのメールでの質問も受け付けているところです。また、最近本来の花容,色に近い写真集も頻繁に出てくるようになり、自分の好きな花を選べるようになってきました。
日本への杭州寒蘭の入荷量は年々少なく、また高くなってきています。しかし名の知れた銘品はともかく、まだまだ山取り品は3000円から5000円程度と安価で、気に入った花を展示会に出品したり、自分で名前を考えて登録したりすることもでき、杭州寒蘭をこれから始める人にも大きな楽しみになっています。あなたも今すぐ始めませんか??
(日本中国蘭協会) |